会報38-5 春の自然観察会―大和市「泉の森」

中村 浩 [平成25年(2013)05月31日発行会報第38号から]

3月 16 日(土)、会員9名、会員予定者1名が参加して、植物観察・里山管理の見学会を行った。「泉の森」は 42ha の中に、雑木林、湿生植物園、木製斜張橋と水車小屋、郷土民家園、キャンプ場、自然観察センターで構成されている。ここでは、自然案内、泉の森ガイド、野鳥、環境管理、柳と遊そぼう引地川、植物調査、ホタル環境復元実行委員会などの多くのボランティアグループが活動し園を支えている。

当日は自然観察センター職員の秋山氏が案内してくれて、たいへん有意義な1日となった。園内には約 450 種の植物、約 80 種の鳥類が年間を通じて観られるとのこと。職員といろいろなボランティアが活動しているためか、レッドデータブックと園内の動植物の状況が良く調査されていた。

園の周辺には住宅地、国道などがあり、強風により高木が倒れて被害が出たため、それらに接する区域は低木へ移行中とのこと。

皆伐エリアでは、萌芽更新の状況を見学できた。コナラは 15 年以上、クヌギは 25 年以上では萌芽更新率が著しく低下する、また人力で伐採を行う場合は、大木になる前に伐採しないと手に負えなくなるとのことであった。

苦労しているのは、地権者が大和市・国(防衛省厚木飛行場の緩衝地)・一般個人から成るが、地権者によって樹木の伐採を一切許可しない方もいること。

山野草のエリアでは、カタクリの花が咲いており、年によっては小規模ながらの群生も見られる、一部エリアに、冬虫夏草の密度が高い所もあるとのことであった。

環境復元として、沼沢地・水田に自生していたタコノアシが絶えたので、他所から種を持ってきて蒔いたらごく一部で再生に成功したこと、近年湧水量の減少などにより源氏ボタルの数が少なくなってきているので、同じ水系の他の場所からホタルを持って来て再生を図っているなどの取組みも聞くことができた。

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