平成25年(2013)03月24日発行10周年記念誌第4章から
-管理・保全ボランティア団体-
多摩美地区には、多摩丘陵の一部として約10ha にわたり、里山の生物が多様で生態系の豊かな緑が広がっており、一般には多摩美緑地と言われている。
この緑地を、緑に関する4つのボランティア団体が管理を行い、また1団体が緑の保全活動を行なっている。
都市部の緑は貴重なもので、いずれの団体もこの緑を保全し、次世代に引き継ぐための活動を続けている。
- 多摩美公園管理運営協議会
- 多摩美みどりの会
- 多摩緑地保全地区こもれびの会
- 麻生多摩美の森の会
- 川崎・多摩美の山トラストの会
そこで、各ボランティア団体と管理区域を紹介したい(地図参照、以下設立順)。
1.多摩美公園管理運営協議会 (管理面積 約0.3ha )
昭和49年に川崎市が「多摩美児童公園」として指定。昭和52年4月に近隣の有志による「多摩美児童公園愛護会」が結成され管理を始めた。
平成23年2月、愛護会が「多摩美公園管理運営協議会」となり、 現在近隣の多摩美町会、若葉町会、四ツ葉町会の3町 会によって管理されている。この公園で毎年、八町会 盆踊り大会が開催される。
2.多摩美みどりの会 (管理面積 約 1.0 ha )
昭和56年多摩美公園周辺一帯にマンション建設 計画の話が出て、地域住民の反対の声が起こる。昭和57年多摩美町会に「多摩美自然保護対策委員会」が 設置される。昭和60年に日本たんぽぽ園(カントウ タンポポ自生地)、野草園、平成2年に多摩美ふれあ いの森の管理を開始。平成9年「多摩美みどりの会」 に改称し、その後、多摩美町会より独立。
8町会盆踊りのバザーに参加、「多摩美の自然を知る集い」「山野草観察会」、麻生多摩美の森の会と共 催で「植樹祭&収穫祭」等を開催し、地域との交流を行なっている。
3.多摩緑地保全地区こもれびの会 (管理面積 約6.7 ha )
昭和63年12月、川崎市が「多摩緑地保全地区」を 指定。この緑地保全地区を守る会として平成11年3 月「星が丘地域の会みどりを守るグループ」とし発足。
その後、行政と協力し「里山保全管理報告書」を作成、同時期に名称を「多摩緑地保全地区こもれびの会」に改め現在に至っている。里山ボランティア教育講座、川崎市小学校社会科教育研究会、多摩地域における地域教育会議などへの協力を行なっている。また、竹林整備のため毎年春に地域の皆さんの協力を得てタケノコの除去を行なっている。
4.麻生多摩美の森の会 (管理面積 約 1.5 ha )
川崎市市民健康の森の一員として平成14年4月 に設立。設立前の平成13年 より森づくり、畑の開墾を開始。現在は森づくりはほぼ完了し森の管理が主力となっている。
平成13年12月、多摩美みどりの会と共催で「第1回 植樹祭&収穫祭」を開催。 現在まで12回を重ねている。その他のイベントと して植物観察会、小学校の総合的学習への協力、星の観測会、プレーパークへの協力等を森で開催し、 地域との交流を深めている。
5.川崎・多摩美の山トラストの会 (管理区域なし)
平成21年7月、多摩美地区に残されている緑地帯および周辺の緑地帯を、川崎市と市民との協働によって緑を保全し、子供たちのふる里として後世に 残していくことを目的として「川崎・多摩美の山ト ラスト基金」を立ち上げ、同時にこの基金活動を行 なう団体として「川崎・多摩美の山トラストの会」 が設立された。
緑の保全のための募金活動のほか、 定例的に多摩美地区近辺での「植物観察会」「森の作品づくり教室」「森の展覧会」等のイベントを開催し、地域との交流も図っている。
6.多摩美特別緑地保全地区について (管理面積 約 0.2 ha )
平成22年4月、川崎市により「多摩美特別緑地保全地区」0.1 ha が指定され、平成23年11月に約800㎡ が追加指定された。この地区の管理者はまだ決定していないが、今後行政との協議となる。(後日この地区の管理者決定)