副会長 長 澤 [平成19年(2007)03月25日発行会報第16号から]
麻生区市民健康の森において、西生田小学校 5 年生 170 名の「森で環境を学ぶ」総合的な学習が 12 月中旬 2 日間にわたり行われ、「麻生多摩美の森の会」と「多摩美みどりの会」がその支援を行いました。
環境をテーマとし、森の大切さとボランティア活動の意味、冬の森観察、カブト虫のお宿作り、樹木の二酸化炭素吸着量測定など体験学習を行いました。
◆ 実施日と学習指導員
① 実施日時; 12 月 18 日(月)、19 日(火)
2 日間 各午前中の 2 時間
② 学習指導員; 各日 10 名
麻生多摩美の森の会(健康の森)会員、と多摩美みどりの会の会員有志の方々。
◆「環境」学習の内容
はじめに、勝田会長より「西生田小学校の近くにこんなにすばらしい森があります。今日は、環境をテーマに実習をまじえて森の大切さを野外学習で体験してください」と挨拶があり、森の学習に入りました。
<緑の大切さと、多摩美の森の保全活動>
平林さんより以下のような話がありました。
① この森周辺に 25 年前に開発計画が持ち上がったが、地域の人たちによる森を残そうという運動が実り、今は川崎市麻生区市民健康の森となっている。
② 森の役目の 1 つには、鳥や虫や小動物のすみか、緑による人々の安らぎの場として、2 つには、人や動物が吐き出す二酸化炭素を吸着し、光合成を行い酸素と水を放出する効果がある。地球の二酸化炭素増加による温暖化防止など、環境保全に大変貢献している。
③ 木を切りすぎ滅びた国や衰退した国は過去にたくさんある。樹木の成長は、大変長いので何百年も先の森を見据えた育成管理が必要である。
<冬の森の写生と、カブト虫のお宿作り>
森はいつも緑豊かだと思われていますが、冬の森を観察することで、気付いてもらうのがねらいでした。約 20 分間、落ち葉や冬芽、木の落葉した姿など冬の森の息づかいを写生しました。
後の 20 分、森で落ち葉かきを行い、あらかじめ作った竹枠の中に落ち葉を入れ、米ぬかと水を入れ踏み固めてカブト虫のお宿を作りました。
<樹木の二酸化炭素吸着を観測しよう>
① 観察シート、メジャー、電卓を準備し、班別行動(8~10 人/班)で 3 本の木の幹周りを測定しシートに記入、別表より「葉総面積値」を算出しました。
② 計算式「二酸化炭素=葉総面積×吸着指数」によって樹木が吸着する二酸化炭素量を算出、それが年間で何人分に相当するかを計算しました。
③ 結果発表を行い、6 班 18 本で約 70 人分の二酸化炭素を吸着、樹木が環境改善に大きく貢献している事に驚きました。