会長 間野 洋 [平成18年(2009)09月30日発行会報第26号から]
前号でも述べた通り、当会の森作りも一段落し、今後はいかに整備、管理していくかの 段階です。当会の基本理念の一つである地域 コミュニティの構築は、種々のイベントを通 して近隣の皆様との交流を図っています。
現時点では主催、共催、後援をあわせて六 つのイベントを開催しています。各イベント の概要、経緯などを以下にご紹介します。
1.植樹祭&収穫祭 多摩美みどりの会共催
森作りを始めた2001 年より続く当会のメ インイベントの一つです。開催のコンセプト は森の成長に合わせて変化しました。①森作 りの期間(2001~2003)、②樹木の成長の確 認(2004~2005)、③森で楽しむ(2006~2008) です。植樹については初年度より7年間で枯 れた木も相当数有りましたが、約300 本を子 供たちと植えています。収穫祭では当森の畑 で収穫したサツマイモ、サトイモ、大麦、小 麦など皆さんに賞味いただき、一部はお土産 として参加者にお分けしています。 森で楽しむでは、子供たちと木の葉のスタ ンプ、ススキのお面作り、どんぐりのコマや 飾り、枝でトンボ細工など楽しみました。 またこの時期、多摩美の森とその周辺の樹 木、草花の写真集を、テーマごとに4集発行 しました。なかなか秀逸な作品です。
2.小学生の総合学習への協力
みどりの会との共同で2001年より続いて いる重要な活動です。最初の2年間は金程小 5、6年生のどんぐり苗の植え付け、カブト ムシのお宿作り、小鳥の巣箱掛けなどをしま した。2003年は3校で、金程小5年生は麦の 学習、西生田小3年生は麦とそばの学習、千 代ヶ丘小5年生のあるグループからは身の回 りの環境問題調査のため当森に対しての質問 状に回答、発表会を参観しました。 2004 年からは西生田小への協力に絞られて 現在に至っています。3年生は麦とそばの学 習、冬の森の観察、5年生は環境と緑をテー マに、樹木の幹周りを測って二酸化炭素の吸 収量を計算し、その木が年間何人分の酸素を 排出しているかを考え、また落ち葉を集めて 堆肥作りを行っています。
3.竹炭焼き
2002 年より始めたドラム缶窯を使っての 炭焼きです。最初の5年は出来不出来が激し く試行錯誤の末、一昨年より火力保持のため 温度管理を実施し上々の出来となってきまし た。収穫祭で参加者に安価で提供しています。
4.動植物観察会
2001 年より始め、会員、参加者の勉強会と なっています。2年間は会員の萩原哲氏の指 導で当森の環境調査として、年間通じて植生、 野鳥、昆虫の観察が行われました。クモが糸 を吐いて空に舞い上がるバルーニングが観察 された事は特筆です(写真撮影もできた)。 2003 年は樹木研究家の北澤清先生より、樹 種の分布とビューポイント、森づくりのアド バイス等を受講しました。2004 年からは自然 観察指導員の高橋英先生にお世話になり、当 森の四季の樹木や草花を観察し、生きものた ちの営みの興味深いお話を伺っています。
5.星の観察会
オーロラ天文台、渋谷星の会主催。若葉町、 当会後援で2006 年に始めました。多摩美の森 は生田緑地、早野地区とともに市内で星がよ く見えるベスト3です。今年は世界天文年(ガ リレオが初めて手製の望遠鏡で星を観察して 400 年)で5回目を迎えました。その楽しみ は右頁の小川さんの投稿文をご覧下さい。
6.プレーパーク
「麻生プレーパークを創る会」主催、当会 の協力で昨年より始まりました。子供たちが 自由に遊びを創り飛び回るのは見ていて楽し いものです。子供たちが森と友だちになり感 性豊かに育ってほしいと思い、今後とも協力 を続けて行きたいと考えています。
7.今後の課題
当会も森作りに始まって9年目を迎えまし た。この間、新入会員も少なく世代交代も進 まず会員の老齢化が進んでいます。特にイベ ント1、2、3は準備にも時間がかかり、い かに効率よく地域の皆様との交流を図るか苦 労しています。時間に余裕があり、また当ボ ランティア活動に賛同される方々の入会を心 からお待ち申し上げます。