会報18-4 星空のまちづくり・・・ 夏の夜空を 楽しむつどい

オーロラ天文台 小川誠治 [平成19年(2007)09月30日発行会報第18号から]

8月 11 日(土)、麻生区市民健康の森で、オーロラ天文台・渋谷星の会主催、麻生多摩美の森の会・若葉町会後援による「夏の星空を楽しむつどい」が開催され、約 40 人の地域住民の皆さんが参加されました。

当日は、木星が西空に見えていたので、その表面の縞模様や一番明るい 4 個の衛星をご案内しました。それから、七夕の星、織姫星(青白い、こと座のベガ星)と彦星(わし座のアルタイル星)、その間に見える、はくちょう座の美しい二重星アルビレオなども見ていただきました。そのほか、赤いさそり座のアンタレス星、オレンジ色のうしかい座のアルクツールス星、北斗七星のうちのひとつミザール星などを次々に望遠鏡にとらえ、夏の星空をご案内しました。

この観測会は昨年に続いて 2 回目。青少年科学館による調査では、生田緑地・早野地区とともに、市内で星がよく見えるベスト3です。多摩美周辺は都会には珍しく深い緑に覆われ、小高い山に囲まれ、余分な光が入り込まない地形となっていることなどが好条件の理由と思われます。そして、忘れてならないのは、地区の住民が環境や緑を守る運動に熱心な努力を続け、また地主さんや川崎市など行政の深い理解と協力があることです。

渋谷の東急文化会館 8 階に五島プラネタリウムがあり、2001 年 3 月に 44 年間の歴史を閉じましたが、そのボランティア有志が「渋谷星の会」を結成。実践拠点として、多摩美1丁目の筆者宅の改修にあわせ25㌢反射望遠鏡を設置し、「オーロラ天文台」を自費で建設しました。

以降、この天文台で観測会を続けてきましたが、内部が狭いなどのため、昨夏野外観測会に踏み切ったわけです。これからぜひ、多摩美地区の特長をいかした「星空のまちづくり」を、皆様のご協力とご理解をいただきながら少しずつ進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。