会報04-2 各区・市民健康の森からの報告

[平成16年(2004)3月31日発行会報第4号から]
まとめ:編集室・森 正昭

幸区・加瀬山の会は平成 15 年に会員 60 人でスタートした。晴れた日には、丹沢山と富士山、奥多摩、さらに奥秩父が見えるそうです。計画・施設・活動の3部会をつくり、月1回の活動をしているとのこと。健康の森の中には、動物公園や古墳、神社があるが、これら別組織とどんな連携ができるか、それと会員の増加策が課題だそうです。

高津区・市民健康の森では、昨年 5 月にホタル観察会を開催、源氏ホタルと平家ホタルが 150 匹程度発生したそうです。幼虫のためのカワニナ育成や親ホタル用にレタスの栽培など、育成法が分かったとのこと。散策路作り、収穫祭や小学校への竹細工指導、竹炭つくりなどの活動を行う中で会員が増えたと、気合の入った報告がありました。

中原区・市民健康の森では、森林の管理、池の清掃、野鳥観察、下草刈り、それに絡めたお楽しみ会を行ったそうです。湧水調査とともに、上下二つの池の水質調査を、専門家の指導で実施したとのこと。更に川の清掃活動に対し治水事務所より感謝状を受けたそうです。「井田山の森の恵みとは、“自然との触れ合い、人との触れ合い”です」というように、大変な作業を上手に楽しみに変えてしまうワザはすばらしいと感じました。

宮前区・水沢森人の会では、「右手に鎌、左手にビール」の合言葉に従い、作業と交流を楽しみながら活動しているとのこと。ここは平瀬川と矢上川の水源となっていて、そこを里山、ビオトープ、竹林、果樹林、草原、どんぐりの苗畑に分けているとのこと。子供たちに生き物の貴重さ、かけがえのない地球をここから伝えていきたい、そして、子供たちの声が聞こえる森にしたいという思いは、すばらしい視点だと思いました。

多摩区・日向山うるわし会は、6町会にまたがっており、見晴らしがよいところだそうです。会は1年半前にスタート、青空音楽会・天井のない展覧会を開催。東生田小、わくわくプラザの児童たち 250 人が参加、あわせて、焼き芋・豚汁・工作など行ったそうです。このときの作品が展示されていましたが、環境を上手に生かしたすばらしい企画だと感じました。

川崎区・海風の森は、会員が 38 人と少ないが、土手に菜の花や水仙を植えたり、大島桜の葉で桜餅を作ったりした。行政からトイレも作ってもらい助かっているそうです。公園地域なので会独自には活動ができず、公園事務所と相談しながら作業を進めているとのこと。夢は、海辺に風力発電機を設置し、ここの目玉にすることだそうです。

麻生区・多摩美の森は、雑木林と広場、篠竹の藪からなっている。広場は、植樹部分、畑、憩いの場に分けている。畑には、楽しみながら麦やソバ・イモ類を植付けし、その収穫物は収穫祭のときに利用している。小学生に麦茶つくりやソバ打ち指導を行った。「子供たちに森の恵みを分けたい」「子供たちの喜ぶ姿が大きなやりがいだ」。

img306各区からの報告と展示は、自然に触れる喜びと交流の楽しさに溢れ、それぞれの立地条件をうまく生かし、特色のある活動を展開していました。そして、子供たちへのメッセージ“自然を大切にし学んでいこう”という姿勢も共通していました。会員の拡大も共通した課題でしたが、活動の創意工夫の中にその答はあるように思いました。