小西 邦弘 [平成26年(2014)01月31日発行会報第40号から]
植物は子孫を残すために、いろいろな工夫を凝らし、種子散布をしますが、私の担当は鳥に運んでもらう「ヨウシュヤマゴボウ」。明治初年にアメリカから渡来し野生化した帰化植物で、赤い茎と濃い紫の実が特徴で、紅普通にたくさん見られる植物ですが、残念なことに今年はすでに盛りを過ぎて、実は乾燥し、葉もほとんどが落葉して哀れな姿の株ばかり。やっと説明に使えそうな株を選んでその前で説明をしました。
実のついた茎をとって「これは何色かな」とたずねると元気よく手を挙げて、赤、紫と答えてくれました。この2つの色の対比が「二色効果」として鳥によく目立つものであり、この草は鳥にタネを運んでもらうために、タネの準備が整った時に茎を赤くし、実を紫に色づけて、鳥たちに「ご馳走ができましたよ」と教えることを説明すると、みんな「へえー」という感じで頷きました。枯れた実をつぶして中に 10 個前後入っている小さくて固い種子を示しながら、これがそのまま糞の中に出されると説明すると納得してくれます。
7分間という時間の中でどれだけ解りやすく話ができたかを考えると、子供たちに教えるということは自分も学ぶことであるということを実感した時間でした。